有責配偶者からの離婚請求と未成熟な子の存在
有責配偶者からの離婚請求、つまり配偶者と別居して他の異性と同居している者から離婚を請求する場合が典型例ですが、そういったケースでは、裁判所は離婚は認めないのが原則ですが、いわば例外として、①別居期間が、同居期間と比較して長期にわたっていること、②未成熟の子がいないこと、③相手方配偶者が精神的・社会的・経済的に過酷な状態におかれるようなことがないこと、といった場合には、離婚を認めていることは、以前にも書きました。
この離婚を認めるための3つの要件を満たすために、最もハードルが高いと思われるのは、②の未成熟の子がいないこと、だと思います。
なぜなら、未成熟の子、つまり親に扶養されなければ生活できない子が存在するだけで、離婚請求は認められないようにも読めるからです。
しかし、未成熟の子がいても、長年にわたって未成熟の子と離れて暮らしており、これまで支障がなかった、その子も間もなく成熟する、生活費も十分に送金してきた、今後も生活費の送金は期待できるといった事情が認められれば、この要件を満たすことができるとしたケースもあります。つまり、②の要件も絶対的ではないということです。
もっとも、このような事情を満たすことも、簡単なことではないことも確かです。