離婚後の手続き

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離婚成立後の手続き

離婚することや、慰謝料・財産分与・親権・養育費など離婚に関連する事項について全て合意できた、あるいは裁判所の手続き(調停、訴訟等)で離婚が成立したという場合、一息つきたいところですが、まだ、手続きが残されております。

 離婚届けの提出、提出時の添付書類の準備離婚後の戸籍や氏(姓)を決めること、子供の戸籍や氏(姓)のこと等を、忘れないようにする必要があります。

離婚届の提出

1. 協議離婚の場合

市役所・区役所など市区町村役場に離婚届を提出することによって、はじめて離婚が成立します(従って、協議離婚の場合は、離婚成立の後の手続きではなく、離婚そのものの手続きです。)。
夫婦間で合意しておくべきことの全てについて合意ができ、離婚協議書の作成等を行った以上は、できる限り早く離婚届を提出しましょう。 そうでないと、せっかく相手と合意をしても、離婚届けを提出する前に相手の気持ちが変わってしまえば、振り出しに戻ってしまうからです。

2. 調停離婚、和解離婚の場合

調停離婚、和解離婚の場合は、調停成立、和解成立のときに離婚が成立します。

しかし、その後に、市区町村役場に離婚届を提出する必要があります。

これは、既に離婚が成立したことを、役所に報告するものであり、これによって戸籍の記載など反映されるのです。

離婚届は、離婚成立(=調停成立、和解成立)から10日以内に役所に提出する必要があります。

離婚届の用紙は協議離婚と同じであり、市区町村役場でもらいますが、協議離婚と違い、相手方の署名は不要です。

調停や裁判を申し立てたほうのみで作成提出することになります。

離婚届を提出する際、調停調書の謄本、和解調書の謄本を添付する必要があります。

これは裁判所で交付を受けます。

ただ、10日間という期間は短いですので出来るだけ早く準備してください。調停成立のとき、和解成立のとき交付申請するのが便利です。弁護士をご依頼の場合は、弁護士が交付申請をしていることが通常でしょう。

※ 和解離婚とは

  離婚訴訟の中でも話し合い(和解)をする機会があることが多いといえます。離婚訴訟の中で、話し合いをし、双方が離婚の合意に至った場合のことです。未成年の子供がおられる場合、和解で親権者を指定することは必須となります。もちろん慰謝料や財産分与などについても定めることができます。

3. 裁判離婚の場合

離婚を認める判決が言い渡され、それが確定すれば、離婚成立となります。

 判決に不服がある場合、判決正本(裁判所から当事者に渡される判決書のことです。)を受け取った翌日から数えて14日以内であれば、高等裁判所に控訴することができます。

 この14日の間に控訴がなかった場合には、判決は確定し、離婚成立となります。

 そして、裁判離婚の場合も、離婚成立から10日以内に、市区町村役場に離婚届を提出する必要があります。

 この離婚届の用紙は、協議離婚と同じく、役所でもらったものに記載すればよく、また、裁判を申し立てたほうが記載するだけでよく、相手方の署名等は不要です。

 また、離婚届を提出する際、判決謄本を添付する必要があります。また、判決確定証明書の添付も必要です。

 10日以内に提出する必要がありますので、控訴がなかったことを裁判所で確認できれば、すぐに準備されることをお勧めします。

 もちろん、弁護士をご依頼の場合には、これらの書類は弁護士が準備して、お客様にお渡しします。 

離婚後の戸籍、氏の決定

離婚後の戸籍(本籍地)、氏(姓)を決定します。
結婚した時に妻が氏(姓)を変えた場合を例に説明します。

1. 離婚すると、妻は、当然に結婚前の氏(旧姓)に戻ります。

また、戸籍については、原則として結婚前の戸籍に戻ることになります。結婚前は親の戸籍に入っておられた方が多いと思いますが、その場合は、親の戸籍に戻ることになります。
 ただし、結婚前の戸籍が既にない場合や、離婚届を提出する時に新しい戸籍を作る旨の申し出をした場合は、ご自分が筆頭者である新しい戸籍が作られます。
 なお、新しい戸籍が作られた場合は、その後結婚前の戸籍に戻ることはできませんのでご注意ください。

2. 氏(姓)については、離婚後も結婚中の氏(姓)を使い続けたいという方もおられます。

そのような場合は、離婚届出と同時に又は離婚の日の翌日から3か月以内に、市役所・区役所などに対して結婚中の氏を引き続き使用する旨の届出をすれば、離婚後も婚姻中の氏(姓)を称することができます。
届出に際して元夫の承諾を得る必要はありません。
離婚成立後、3ヶ月経過してしまってからですと、家庭裁判所に氏の変更許可の申し立てを行い、氏(姓)を変更する許可が必要となります。 このとき、変更することもやむを得ないという理由がないと変更は許可されませんので、必ず離婚成立後3ヶ月以内に手続きを行ってください。
いずれにしても離婚後に名乗る氏(姓)は、離婚時に、慎重に決める必要があります。

子供の戸籍、氏の変更

両親が離婚しただけでは、子供の氏や戸籍は変更されません。

母親が子供の親権者になっても、離婚によって母親が元の戸籍にもどった(あるいは新しい戸籍を作った)場合でも、子供の氏や戸籍は変わらず、その結果、離婚後、氏(姓)と戸籍が、親権者と子供が異なるという事態が起こり得ます。

このような場合でも、親権者としての権利や義務に何らの支障もありませんが、特に、氏(姓)が異なることは、不便という場合もありますし、同じ氏(姓)を名乗りたい、という気持ちを持つ方も多いといえます。

そこで、自分と子供の氏や戸籍を同一にしたいという場合は、家庭裁判所に「子供の氏の変更許可の申立て」を行います。

子供の氏の変更が、家庭裁判所にて許可された場合には、市区町村役場に「入籍届」を提出する必要があります。これによってはじめて氏の変更、戸籍の変更が実現します。
婚後の戸籍(本籍地)、氏(姓)を決定します。

その他の手続き

このほか年金や健康保険の手続きが必要となることもあります。氏(姓)が変われば、運転免許証や預金口座等の名義を変更することも必要となることはもちろんです。