弁護士コラム

子の親権者の指定、その判断基準

2013.01.31

夫婦が離婚するとき、未成年の子がいる場合は、必ず、子の親権者を、夫または妻のいずれかと定めなければなりません。
子の親権者をどちらとするかは、もし、夫婦間の協議や、裁判所での調停(裁判所での話し合い)で決めることができなければ、裁判所の判断によって決めることになります。

その際、裁判所は、何を基準に、何を材料にして決定するのでしょうか。

最も重要となる判断材料は、子供の現在の養育状況が安定しているかどうか、つまり、簡単に言えば、子供の養育についての実績です。

夫婦が別居し、いずれか一方のもとで子供が養育されている場合、その現在の養育状況に不都合がなければ、これをあえて変更させることは不都合だ、つまり、現在養育状況に問題がなければ、子供を他方に移すことは問題がある、という考え方です。

つまり、別居後の子供の養育について、実績を作ったほうが有利ということです。

但し、だからといって、別居中に、自らの元へ子供を無断で連れ去って来て養育した、という場合は、そもそも親権者として適格ではない、あるいは、そもそも子供の養育状況は安定していない、と判断される傾向にあります。つまり、無断で子供を連れ去ってきた者には、親権は認められない傾向にあるといえます。

もちろん、この材料以外にも、判断材料となる事情はあります。また、後日に説明いたします