弁護士コラム

震災と離婚

2013.03.29

記事です。

放射能を避け母子のみで西日本に移住する夫婦に離婚増加中
https://news.livedoor.com/article/detail/6386840/

離婚の理由としては、一般的に「性格の不一致」などと、しばしば言われるものといえます。

ただ、「性格の不一致」だけでは、民法の定める「離婚原因」に該当するとは考えにくいと言えます。そのため、夫婦間で離婚の合意に至らない場合(家庭裁判所での調停も含む)、訴訟までして離婚を実現することは困難といえます。

もし、訴訟をしてでも離婚したいということであれば、「性格の不一致」の結果、夫婦の信頼関係がなくなり、今後もこれを取り戻すことは不可能という状態になっている必要があります。別居が長期間続いている、というケースは典型的な場合です。また、意図したかどかは別として、離婚の協議や裁判の場なので、夫婦が相互に相手の落ち度や悪口を言い合う、という状況になってしまう場合もありますが、このような場合も、結局のところ離婚が認められる方向に働いてしまいます。

さて、話を元に戻しますと、離婚を考えなければならない場合、やはり残念なことには変わりありません。
しかし、今後の人生、生活のことを考えると、しっかりと話し合っていただくのが、より良い解決のための第一歩だと思います。

また、話し合いの結果、双方とも離婚やむなし、という結論に至った場合、他のこと、つまりお子さんのこと(親権、養育費、面会交流など)、財産のこと(財産分与、場合によっては慰謝料など)などは、あいまいにせず、あるいは先送りにせず、きちんと取り決めを行う必要があります。新たな人生をスタートさせるためには、不可欠のことだと思います。