弁護士コラム

内縁、事実婚の解消と離婚

2013.05.29

何らかの事情あるいは考えで、内縁(事実婚)の夫婦の方もおられます。

内縁(事実婚)とは、男女が、婚姻届けの提出を除いては結婚生活を営む意思をもって、実際に夫婦として共同生活を営んでいる場合のことです。つまり、婚姻届けを提出していないこと以外は、実態として夫婦と何らかわりない、という関係です。

これに対して、婚姻届けを提出した夫婦を、法律婚と言います。

内縁(事実婚)の夫婦であっても、夫婦である以上は、同居義務、相互に協力し扶助する義務、貞操義務等、法律婚の夫婦と同じ義務を負うことになります。

ところで、法律婚の夫婦に離婚の問題が生じることがあるのと同様に、内縁(事実婚)の場合も、離婚、つまり内縁(事実婚)の解消の問題が生じることは当然のことです。

法律婚の夫婦が離婚するというのは、戸籍を別々にするということですが、そのためには夫婦間での協議、家庭裁判所での調停、和解、判決によって離婚することが定められる必要があることは、皆さんご存じのことです。

これに対し、内縁(事実婚)の場合、その関係の解消そのものは、何らの手続もふむ必要はありません。
内縁(事実婚)は、実態として夫婦と同然である、という事実状態ですので、そういった状態がなくなれば、もはや内縁(事実婚)とはいえないからです。

但し、慰謝料、財産分与、養育費など、財産に関する問題も解決する必要がありうることは、法律婚の場合と同様です。従って、内縁(事実婚)の夫婦の、内縁(事実婚)解消の協議、調停、訴訟といったことも、ありうることです。