以前は、「養育費は、子ども1人あたり月3万円が相場ですか？」と尋ねられることが、よくありました。

そういう相場があるわけではなかったのですが、実際に、それくらいの金額を支払っている、あるいは支払を受けている方が、多いということでしょうか。

10年くらい前に、裁判所の裁判官の研究会が、養育費算定表を公表して以来、養育費は、父母の収入によって決まる、という考え方が、広く知られるようになり（もちろん、皆が知っているわけではなく、興味のある方、現に、問題となっている方の間で、ということですが）、「月3万円が相場ですか？」と尋ねられることは、減ったように思います。

では、養育費が子ども1人3万円になる場合の収入は、どれくらいなのでしょうか。
養育費算定表を見ますと、父親の年収が350万円程度、母親の年収が100万円程度の場合であれば、まさに3万円前後となるようです。もう少し詳しく言えば、母親の年収が100万円程度であれば、父親の年収が270万円くらいから430万円くらいまでであれば、月3万円前後（正確には2万円から4万円の枠の中で決める）ということになります。

1人3万円ですか？と尋ねられることが多かったということは、未成年の子がいる世代の、典型的な収入が、これくらいの金額ということなのでしょうか。