弁護士コラム

悪意の遺棄

2013.11.29

民法に定められた離婚原因として、「悪意の遺棄」(民法770条1項2号)というものがあります。

ここで、「遺棄」とは、夫婦の同居・協力・扶助義務(民法752条)に違反すること、夫婦の婚姻費用分担義務(民法760条)に違反する場合のことです。正当な理由があれば、これらの「違反」にはなりません。

そして、こういう「遺棄」が悪意をもってなされたことが、離婚原因とされています。
簡単に言えば、「遺棄」にかなり積極的な意図があってはじめて、悪意の遺棄にあたることになります。

ただ、どの程度のものならば、「悪意の遺棄」なのか、よくわからないと言えます。

しかし、悪意の遺棄にあたらなくても、既に、夫婦が破綻し、婚姻を継続し難い重大な事由がある(民法770条1項5号)といえる場合も、しばしば見受けられます。