弁護士コラム

重婚的内縁関係

2013.07.11

内縁の夫婦(事実婚)が内縁を解消する場合も、入籍した夫婦(つまり婚姻届けを提出した夫婦=法律婚)が離婚する場合と同様に、慰謝料請求が可能であったり、財産分与が認められるなど、法律上保護されます。

しかし、例えば、妻のいる男性が、別の女性と夫婦同然の生活をしている場合(これを重婚的内縁関係と言います)においては、夫婦同然の生活を解消する際、離婚の場合と同様の保護はなされません。つまり、関係解消に伴う慰謝料もないし、財産分与もなされません。

関係解消の際に、慰謝料や財産分与を認めるということは、法律はその関係の存在を保護しようとしている、ということになりますが、重婚的内縁関係は、法律が認めるものではないため、そういった関係を保護することはできない、という趣旨です。

しかし、重婚的内縁関係にある男女が、協力して事業を行って財産を形成したといった場合は、財産分与は認められないにしても、別の考え方により、つまり事業の清算や事業資産の分配などの意味で、財産を取得させることもできるかもしれません。