不貞行為や離婚などによって、精神的な苦痛(精神的な損害)を受けた場合、お金の支払いを受けることによって、その損害を埋める、回復させる、あるいは精神的苦痛を取り除く、という意味が慰謝料にはあります。
もちろん、お金を支払ってもらっても、本当に精神的な苦痛がなくなるかというと、そうではないでしょう。
精神的な苦痛をお金に換えることに、違和感を覚える方、遠慮してしまう方もおられます。
精神的な苦痛といっても、結局、お金が欲しいのではないか、と反論されるのではないか、と思われる方もおられます。
ただ、法律による解決は、お金の支払いをする以外には、適切な方法はありません。
また、加害者側にとっては、多額の慰謝料を支払うことは、苦痛を受けた方と同じように、非常に苦しい思いをすることでもあります。苦痛をお金に換えることの意味を、このように考えることも、1つの理解の仕方ではないかとも思います。
もちろん、慰謝料の額、つまり加害者側が味わう苦痛の程度も、それは、過大であってはならず、適切なものでなければなりません。但し、何が「適切なもの」であるのか、決めることは非常に困難です。