弁護士コラム

クラブのママの営業と不貞行為

2015.05.28

このところ、ニュースなので、クラブのママが、顧客を獲得するため、営業として妻のある男性と性交渉を行った場合、その妻から慰謝料の支払いを求められた、という裁判の話が話題となっております。
このケースで、裁判所は慰謝料請求を認めなかったということで、特に話題になっているわけです。
裁判自体は、1年も前のことですが、近時、発行された判例雑誌に、その判決が掲載されたことから、多くの人がそのような判決の存在が知られることとなり、話題となっているのです。

「話題になっている」ということからも、従来からの裁判所の考え方とは全く異なる判断がなされた、ということがわかると思います。
その判決の理由部分を見ますと、色々な場面で、これまでの考え方とは全く異なる考え方が述べられており、かなり思い切った判決だと思います。話題性のある判決ではありますが、このような考え方が定着することは、少なくともしばらくの間はないと思います。

ただ、日本以外では、配偶者のある異性と性交渉を行っても、その性交渉の相手の配偶者に対して、慰謝料を支払う義務はない、という考え方のところもあります。
つまり、配偶者は自由競争に敗れただけだ、と考えるのです。

もちろん、自由競争とされたとしても、夫婦間では、不貞行為として離婚原因にもなりますし、配偶者に対して慰謝料を支払わなければならないことにもなることは、もちろんです。

・・・・・・・・・・・・・
大阪で離婚問題の弁護士へのご相談は、藤本法律事務所まで。