弁護士コラム

離婚成立の時期

2013.02.23

離婚が成立する時期は、いったい何時なのか。
離婚を望む当事者にとっては、離婚さえできれば、成立の時期はどうでもよい、と言われるかもしれません。
確かに、通常のケースではその通りだと思います。

しかし、財産分与は、離婚から2年を経過したときには、請求できなくなります。
離婚自体を原因とする慰謝料請求の時効も、離婚成立の時から起算します。

もっとも、財産分与や慰謝料などは、離婚とセットで解決すべきですので、離婚後の財産分与、慰謝料請求は、弁護士の感覚からすれば、レアなケースといえるはずです。

とは言うものの、離婚に弁護士が関与しなかった場合、あるいは、何らかの事情で離婚のみを先行させた場合には、財産分与の権利行使期間や、慰謝料請求の消滅時効が問題となる場合もありえるでしょう。

さて、本題に戻り、離婚成立の時期のお話です。

まず、協議離婚の場合は、協議離婚の方式として、離婚届けを役所に提出するということが内容となっています。そこで、離婚成立の時期は、離婚届けを役所に提出したとき、ということになります。つまり、夫婦が離婚に合意して離婚届けに印鑑を押していたとしても、それだけでは離婚が成立したことにはなりません。届出が必要です。

調停で離婚する場合も、離婚届けを役所(市役所、区役所、町村役場)に提出します。しかし、離婚の成立自体は、調停成立のときです。役所へは、既に離婚が成立したことを報告する、という意味で届けを出すことになります。なお、調停成立とは、当事者間に合意が成立し、これを調書に記載したときです。

裁判で離婚する場合は、判決確定のときです。判決がなされただけでは、離婚は成立していません。まだ、控訴など、判決に対する不服申立がありうるからです。そして、判決確定後に離婚届けを役所に提出しますが、これも既に成立した離婚を報告するというものとなります。

実際には、このような問題を経験したことはありません。この話題は、法学部の学生の勉強のような話でした。